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商品名：Hanss Acoustics
T-30 （Arm Less）
価格：648,000 円
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ヨーロッパから新しいブランドのお目見えです。
ハンスアコースティックス社は、オルトフォンと同じデンマークに拠点を置きながら、世界各国のエンジニアリングを集結させたオーディオのスペシャリスト集団との事です。
現在、東京府中のオーディオリファレンスにより、アナログプレイヤーや関連アクセサリーを始め、ＣＤプレイヤーも国内販売されています。
本機T-30ですが、三機種のラインナップ中、中位の機種でありますが、実物に接してみるととてもとても80万円の製品とは思えない造りの良さ、仕上げの良さを感じます。
正直申し上げて輸入元の価格設定はかなりリーズナブルであると思います。
海外製品の一部にありがちないわゆる安っぽさが全くないばかりか、デザインを含めて高級感がぷんぷん漂うのです。
機能的にも大変良く考えられており、例えば軸受け構造ですが、本機を組み立てる際、まず軸受けユニットをシャーシー中央部にセットしその上にターンテーブルを乗せるのですが、この軸受けユニット内部でシャフトに相当する部分と軸受け部とが、一対のリング状ネオジウムマグネットで上下に反発し合うため、セラミック製軸受け部への過重が大幅に低減され大変スムーズな回転と長期間の信頼性が約束されているのです。
なお軸受け部のシャフトとボールベアリングとは、実際には適量のオイルを介して僅かに接触する調整となっています。
またモーターユニットは自立型であり、しかも2台のモーターユニットを左右に置き、各3本計6本のシリコンベルトで10kgのターンテーブルを駆動する構造を採用しています。
これによりターンテーブルは想像以上に静かな回転を提供してくれるのです。
柔らかいシリコンベルトの性格なのでしょうか、回転中の擦れ音等動力伝達の際のノイズが生じないのも美点です。
この自立型モーターユニットは欧州製品によく見られるもので目新しいものではありませんが、ハンスアコースティックスのモーターユニットはケースがかなり堅牢に出来ているせいか、動作中のハウジングを手で触れてみると、強力なモーターであるにもかかわらずモーター振動があまり伝わって来ないのが安心できるポイントです。
各社製品では低振動を謳う製品でも結構ハウジングの共振が大きかったりで、この振動がアンダーボードを介して僅かにでもプレイヤー本体に伝わってしまうと、（最低共振周波数の低いスピーカーほど）ハウリングめいた低い振動騒音に演奏中悩まされてしまうことになります。
その点でハンスアコースティックスは最小限の振動対策で済むのが心憎い点です。
実際に本機を購入なされたお客様の中で、ホームセンターで75cm×45cmにカットして貰った板厚20mmの合板２枚を重ねてアンダーボードにしたところモーターの振動音やハウリングは皆無であり、もうこれで十分との報告を頂戴しました。
本機には専用コントローラーが付属しており、2台のACシンクロナスモーターへの電源供給や回転数切替、ピッチコントロールをこのコントローラーで行える点も扱いやすいです。
またターンテーブル回転数の測定をシャーシー内で光学的に行い、その情報をコントローラーでシャーシーの液晶パネルにデジタル表示させるGRSシステム（バッテリー駆動！）を搭載しています。
すなわちGRSシステムを利用して回転数を正確に合わせるようユーザーが手動でピッチコントロールするというシステムです。
アナログ再生ではカートリッジの針圧の違いにより、またドライブベルトの経年変化により回転数が微妙に違ってきた場合、オーナーがいつでもビシッと正確な回転数に合わせることを可能にしたシンプルで合理的な機能を搭載しているのです。
ノッティンガムを始め著名で高価な製品でも回転微調整が出来ない機種が沢山ありますが、本機の設計は至って親切ですね。
なおT-30の回転数微調整は、コントローラー前部の半固定VRを付属の小型ドライバーで各回転数毎に行います。
T-30のシャーシー脚は安定感の高い三点支持であり、脚部は高さ調
整可能なインシュレーター構造となっています。
またこのインシュレーターにも前述のマグネットフローティングが組み込まれています。
先のアンダーボードはホームセンターの板材で十分であったという話は、この磁気浮揚型インシュレーターの貢献度も大変高いのではと思われます。
この事は実際に弊社でも試してみて確認済です。
アンダーボードにお金のかからない希に見るレコードプレイヤーなのであります。
さてT-30の音出しですが、SME久々の新型ユニバーサルアームであるM2-12Rを特注ベースに搭載して行いました。
（その後オルトフォンやIKEDA、オーディオクラフトも装着実験済）
ロングアーム用アームベースは特注品ですが、どうしてもSME新型ユニバーサル・ロングアームを搭載してみたかったのです。（笑）
レコードに針を降ろしてまず気付いたのはとにかく音が異常に静かであること！
これは大きな回転慣性に起因するのも確かですが、ベルトや糸の擦れ音が無いこと、軸受けの摩擦抵抗が異常に小さいこともその大きな要因であると考えられます。
これなら演奏中の口元や指先の動き、息づかい等微かな気配まで演奏音に埋もれず聞こえるのは当然です。
そして小音量のみならず大音量時の生々しい素晴らしさは何ということでしょう！ このリアリティには本当に痺れます。
感情的な表現で恐縮ですが、数百万円のＳＡＣＤでも何でも持ってこい！という感じなのです。
また同じアナログプレイヤーですが、ハウリングには強いものの音が滲みやすく定位もふらつきやすいフローティングサスペンションタイプ（英国の著名なＬ社製等）とは別次元の安定感やダイナミズムを、リジッドな構造のT-30は見せつけるのです。
事前に置き場所と置き方さえ入念に対処しておけば、やはりリジッドタイプの安定感の良さは感動ものなのであります。
特にダンピングの良く効いた低音域方向の伸びの良さは圧巻であり、また中高音域でもアナログ再生らしい豊富で重厚な倍音成分を提供してくれるのです。
未だに往時のアイドラードライブを重用なさっている方が多いと聞きますが、新世代プレイヤーのＳＮの良さやダイナミックな表現力を知ってしまうと多分大多数の方が虜になってしまうでしょう。
ハンスアコースティックスはシリーズを一通り試聴しましたが、お買い得感が高いのはこのT-30だと思いました。
T-60のヘラクレスのような分厚いサウンドも大変魅力的なのですが、総重量約60kgでは一人で動かすのを少々躊躇ってしまいます。
現在T-30は高次元なアナログ再生を追求する弊社で常用するプレイヤーになりましたが、もし当方がもっと若いときなら何が何でもT-60にしたと思います。（笑）
しかしこのT-30は十分以上の高性能を発揮してくれますのでご満悦です。
黒とシルバーを基調としたモダンで精悍なデザインは見ていて飽きが来ませんし、今日も回してやろうという気にさせてくれます。
お聴きになりたい方は是非一度弊社にお越しください。
但し諸事情からご来社は事前のご予約にて承っておりますので、申し訳ございませんがご了承ください。
★２台のモーターを設置するため、設置専有面積の大きなプレイヤーですが、先述のようにラック上に特注カットの合板を置くようなリーズナブルな方法でも本機は存分にポテンシャルを発揮します。
●駆動方式：シリコンベルトドライブ／片側3本・計6本
●回転数：33.333/45.555 回転スイッチ切替 ※回転数微調整機能付
●電源：AC100V 50/60Hz
●重量：プラッター10Kg / ベアリング0.5Kg / モーター（大）4.5Kg / モーター（小）4Kg / シャーシ19Kg / SC-30コントローラー4Kg
●付属品：ストロボスコープ／ディスクスタビライザー／ターンテーブルマット／水準器／手袋／SME用アームマウント（ショート用）／汎用アームマウント（ショート用、指定アームのプレート加工費別）
●トーンアーム：別売
●別売アームベースアッセンブリー（ショート用、ベースプレート付）：￥75,000（税別）
※一般的には標準装着のrega用アームベースユニットに、アームに合わせたベースプレート(別売）を装着すればrega以外のショートアームをご使用可能です。
●別売アームベース（ロング用）：￥80,000（税別、機種により特注製作可、機種により要お見積もり）
●カーボン製アームベースプレート（穴開け加工費込み）：￥30,000（税別） ※厚みを増した新型です
希望小売価格：￥800,000（本体のみ、税別）
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