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商品名：Phasemation/PhaseTech
PP-Mono
価格：154,000 円
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フェーズテックからフェーズメーションにブランド名を変更した協同電子製品。
その一連の最新モデル中、唯一のモノラルカートリッジが本機PP-Monoです。
同社製ＭＣカートリッジでは、P-1やP-3で開発してきた様々な技術を活かしながら少しずつ新しいアイディアを盛り込んでいることであり、製品の着実な進化熟成には大変好ましいことであると思います。
型番から連想すると同時発売のステレオ仕様PP-300のモノラル版かと連想しがちであり、実際外観もそっくりなのですが、実際にはモノラル専用設計で細部の仕様も少しずつ異なることから、よくある兄弟分とは少し違うようでね。実際価格も異なりますし、モノラル再生に特化するためにかなり気合いを注ぎ込んだ製品と見受けられました。
近年モノラルカートリッジのリリースが増えてきました。
一時は消えかかっていただけに、これは嬉しい状況です。
ステレオ仕様の振動系や発電系をベースにしながらアレンジしたものが大半ですが、本機のようにモノラルの性格を踏まえて専用チューニングされた製品は珍しく、貴重な存在といえるでしょう。
ステレオ仕様PP-300との違いについてはカタログやメーカーWEBサイトでご確認いただくとして、ステレオ盤しかお聴きにならない方からすれば何故モノラルカートリッジがわざわざ必要なんだよ？という事になるでしょう。
だって普通のステレオカートリッジでモノラル版を再生することは可能なのですから。
その疑問に対してはなかなか言葉では表現しづらいのが辛いのですが、モノラル版をたくさん所蔵なさっている方ならとっくにお判りのことでもあります。
すなわちモノラル時代の録音は（ステレオ初期もそうでしたが）録音できる音域（周波数帯域）が狭かったのですが、それでも名人、達人と呼ばれる気の利いたエンジニアは、狭い帯域ではあっても聴感上もっとダイナミックに聞こえるような録音結果を見据えながら、マイクロホンや機材を駆使しており、結果としてメリハリの利いた、しかも音楽の核心部分が浮き上がるような名録音が少なくないのです。
この様に工夫して録音されたモノラルの名録音を一般的なステレオカートリッジで再生すると、帯域レスポンス重視のステレオカートリッジの特性が裏目に出てサウンドが少々平板になりがちですが、どっこいこれをメリハリ重視のモノラル専用カートリッジで再生すると、活き活きとした鮮度の高い音楽が聴けることが知られております。
そして不思議なことに立体的な音場がないはずのモノラル録音でも、遠近感をベースにした深みのある立体感が出てくるのです。
同じアナログレコードファンであってもこの素晴らしさを享受なさっているのはまだまだ一部の方だけであり、是非もっと多くのアナログファンにも知っていただきたい事であります。
実際に本機を聴いてみて、以上のようなモノラル録音とその再生方法に関する因果関係について、良く熟知した上で開発されたのが今度のPP-Monoであるという認識を強くした次第です。
モノラル録音の再生に於いては、広帯域であることやＳ／Ｎの良さはある意味で二の次でも良く、やはり音溝内の情報をピックアップする能力と、それを鮮度高く変換伝送する能力が優先されるのは疑いありませんが、本機はまさにそれを地で行く高い完成度を持つ製品と理解できました。
●発電方式：ムービングコイル式
●インピーダンス：４Ω
●最適針圧：1.7〜2.0g
●出力電圧：0.28mV（1kHz 50mm/s 水平方向）以上
●コンプライアンス：8.0x10(e-6)cm/dyne
●再生周波数範囲：10Hz〜30kHz
●セパレーション：30dB 以上(1kHz)
●チャンネルバランス：1dB 以内(1kHz)
●本体重量：11.1g
●スタイラスチップ：ダイヤモンド（ラインコンタクト/曲率0.03×0.003mm）
希望小売価格￥180,000（税別）
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