アナログオーディオ・スピーカーユニット・真空管アンプに強い!ケンズ オーディオ

 

 

 

 



 
 オーナー紹介
 
 皆さん、こんにちは。初めてお目にかかる方も多いと思いますが、中には「おお、久しぶり!」の方も多いんじゃないかと思います。以後よろしくお願い申し上げます。
 
 私、ケンズオーディオ代表・川原は、中学生で鉱石ラジオや三球スーパーラジオの制作を始めてから、オーディオ歴は既に40年を超えました。その間、フルレンジ1本から6Wayオールマルチアンプシステムまで、また古典的なアナログから最新デジタルシステムまで、またビンテージから最先端システムまで、あらゆるオーディオ再生の世界を堪能して参りました。
オーディオ歴は必ずしも長ければ良いということではありませんが、その間に様々な雑ネタ・雑学を仕込むことで満足するよりも、問題はどれだけ長くこの趣味を楽しめているかじゃないかと思ってます。皆さん、楽しめてますか? 「毎日が悩みと苦しみと葛藤の連続だよ」じゃ本末転倒です。

 さて長年に渡り皆様から良く耳にするのが、「音楽は癒しだ」「ストレス解消だよ」うん、そうでしょうそうでしょう。では私の場合はどうでしょうか? 私の場合、音楽は明日の為のエネルギーであり潤滑剤。そうなんです、明日をクリエイティブに乗り切る為の精神的ビタミン剤のようなものです。そして音楽をとことん楽しむ事を目的にしてきたオーディオ人生ですが、恥ずかしげも無く私の40年間の趣味的感想を申し上げれば、オーディオの場合、必ずしも古い、新しいで機器の優劣を云々すべきではないし、また安易に価格の高低で云々すべきでもないという事です。

例えば、優秀な16pや20pのフルレンジユニットをファインチューン・ファインセッティングし、出力数Wの良く出来た管球アンプで奏でるサウンドは、時として、ハイスピードといわれる最新ハイエンドシステムでさえ表現不可能な音楽性あふれる柔軟な表現をしてくれることさえあります。これはシンプル・イズ・ベストの極致でもあります。ライブの現実音的な音場のエネルギーさえ求めなければ、前者のシステムでも十分に音楽を堪能することが出来る訳です。


 オーディオでもクルマでも、カメラでも女性でも…人はなぜハマルと盲目になり、本来の楽しみ方を忘れてしまうのでしょうか?
それでは皆様へのご挨拶代わりに私の経験から導き出した、オーディオを楽しむ為の一つの法則を今回はお教えしましょう。(話を判りやすくする為にここではクルマを例えに用いています)

まず、オーディオ機器の高性能とは何を指すかということですが、例えばスピーカーの場合、一般的に再生帯域が広く、大入力に耐え、レスポンスがシャープなほど高性能であるとの認識があります。アンプの場合は出力の大小や電源の規模やS/Nの良さで、CDの場合は信号のピックアップ能力や、デジタル伝送・D/A変換の正確さで、いずれも表現されるケースがほとんどです。これをクルマに例えれば、一般的には最高速度・ゼロヨン発信加速・ストッピングパワー・高速安定性・静粛性云々…となるはずです。
これらは決して間違いではありませんが、しかしここで皆さんの認識・常識を少しだけ疑ってみてください。

まずスピーカーですが、ワイドレンジで低音域までフラットだとの触れ込みの製品が、本当に40Hzをフラットに出してしまったら、皆さんのリスニングルームはどうなると思いますか? 一般木造家屋の場合、それこそ低周波による建物の揺すられと定在波による地震のような震動が原因でコモリやうねりが再生音につきまとい、床は波打つはで、不愉快極まりない筈です。40Hzの大レベル再生に耐えられる部屋なんて、専用設計でもそうはありません。ましてや20Hzなどは論外なんですね。

ところでこういう話をすると決まって中には「ウチじゃちゃんと綺麗に低音まで出てますよ」とおっしゃる方も少なくありませんので、実測して差し上げると100Hzもまともに出ていないケースが少なくありません。お客様曰く「このシステムは20Hzまでフラットなはずなのに、こりゃ不良品ですか?」「いいえ、そうではありません。この部屋の構造ですと、カクカクシカジカの理由で100Hz以下は急激に減衰するようになっているからですよ。でも逆に言えば、幸いにして超低音域がさして出てないので、そこそこ音がまとまったのかも知れません。またスピーカーのカタログ上のf特表示だって、真実はカクカクシカジカなんですよ」「ええ、そんなこと知らなかったですよ。」
そうなんです。知らなかったでは済まされないことが世の中多いんですね。
オーディオ再生の場合、システムが置かれる空間(あるいは建物そのもの)の音響的な諸条件とシステムの周波数帯域別再生能力との因果関係は切っても切り離せないものなのです。

これをもっと判り易く言い換えれば、本来パフォーマンスの高いシステムほど空間の音響条件に左右されやすいという事でもあります。この説明で、前述のフルレンジシステムの例が、皆さん、何となく判りかけてきたのではないかと思います。
でもご心配なく。これは潜在能力の高いシステムほどそれを引き出すのに知識・体力・愛情・センス・実行力・精神の柔軟さ(素直さ)が要求されるだけの話であって、私がハイパフォーマンスシステムを否定している訳ではありません。
なおハイパフォーマンスシステムの場合、購入してポンと置いて鳴らしただけじゃ、潜在能力の10%も発揮すれば良い方と理解すべきです。

クルマに例えれば、ハイパフォーマンスなオーディオシステムは、いわば超高性能車。中にはまんまレーシングカーのようなシステムも存在します。
しかし超高性能車はアウトバーンやテストコースが、またレーシングカーはサーキットが本来の棲息場所です。混雑した狭い裏道を走ったら、恐らくは軽自動車の方が格段に快適でしょう。尤も超高性能車を一般公道で走らせる行為は、周囲の好奇心や熱い視線を浴びるのは間違いなく、自尊心を満足させるのが目的であればそりゃ最高です。
また趣味には夢とロマンがつきものですから、その点で、一部のカメラマニアのように所有する事で十分な喜びと満足が得られる方は、それでも良いと思います。趣味による楽しみ方の違いは人それぞれ自由ですから。
オーディオの世界でも同様に、現在最高のハイエンドシステムを一通り揃えたときの喜びや深い満足感は例えようがありません。

でもちょっと失礼して言わせてもらえば、耳をつんざくようなとびっきりのハイパワーで高性能なアンプでの、微少レベル時のリニアリティは一般的には悲しくなるほどです。深夜、静かに、それでも生々しく鳴らすのが目的のシステムに適する訳がありませんね。(尤も中には数少ない例外もありますが)
またスタジオユース仕様の高性能スピーカーの中には、1kWオーバーの瞬間ピークパワーに耐えられる製品も存在します。こりゃもうF1並みですね。しかしこういった製品は、過大な入力に耐えられるよう、スピーカーユニットの振動系の剛性が非常に高いのが特徴です。剛性が高いという事は、ハイパワーでも歪みを押さえようとすればするほど動きにくい方向へつながりますので、裏返せば、微少な入力でのレスポンス重視ではないという事になります。
一時英国の某有名スピーカーが流行り、多くの方が購入されたのは記憶に新しいですが、購入者が一様に「店頭で聴いたような抜けの良い音が出ないんだよ」と仰ります。「そりゃそうですよ、小音量で美味しいスピーカーじゃありませんからね」「ええ!そんな事、購入時に教えてもらえませんでしたし、雑誌にも書いてないですよ」

私の業界人としての人生は、このようにまるで駆け込み寺の住職そのものでした。このような場合でもお客様の趣味嗜好に合わせてその後の対処が適切であれば、スピーカーを買い換えることなく、有る程度満足なレベルまで押し上げる事は、一応可能です。

それにしても何故か皆さん、時として自身の選択基準を見失うのは、クルマ同様、やはり雑誌の影響が大きいんでしょうかね。ゼロヨン何秒で最速だとか、速度記録をオーバーだとか、不動の超高速安定性等と華やかに書き立てられたらつい買いたくなりますよね。またオーディオ業界ではもっとたくさんの殺し文句が用意されていますので尚更です、ハイ。

しかし賢明な皆様におかれましては、これらの誘惑や悪魔の誘いに負けず、ご自身の選択基準をしっかりと持つ事をお奨めします。ご自身の選択基準とは、○○回路が絶対良いとか、△△のみが唯一無二の方式だとか、革新的な最先端□□方式云々…と言ったハードウェア的な束縛から解放されて、もっと音楽的な体験に基づく試聴を重視されたり、今目の前の選択肢が、果たしてご自身の生活スタイルに融け込むものなのかを熟慮すべきでしょう。
そして音楽的な体験や自身の生活スタイルを選択基準に持つ場合でも、生音に近づける云々の方向へ足を取られると、抜け出すのは容易ではありません。(オーディオはあちこちに落とし穴が待っています)

例えば、生音はその場限りの音ですから、同じミュージシャンの演奏でも、会場、日時、主催者や裏方(PA)、アレンジが異なれば、サウンドイメージはまるで異なるとご理解下さい。PAを使わない生声でさえ、演奏者のコンディションや会場や当日の空気で音が違います。これら演奏行為というのは、言わば全てが一期一会の世界です。ですからどの音が生かといった迷路に入り込むよりも、むしろご自身がインパクトを受けたサウンドイメージのみを大事にすれば良いのです。そしてそれをいつまでもご自身の音楽を空想する能力の拡大に役立てれば良いのです。何故って?オーディオは純然たる個人的な、当人だけの音楽的趣味を内包するパフォーマンスに他ならないからです。当の本人が楽しめなくて何が趣味と言えるでしょうか!

これら人間として自然な欲求に基づく趣味的行為の在り方を無視して、この方式のみが最善・最高であるとか、この音のみが原音追求の結果でベスト、等と言った妄言で売り込みをはかる機器や販売店に関しては、皆様がその本質をよく理解してからご購入の決断をすべきですね。
全ての製品は、皆異なる欲求を一人一人満足させる為に、その手段の一部として用意されていると私は解釈しています。そしてその手段は(顔や姿形が異なるのと同様に)人間一人一人の感性が皆異なるが故に、星の数ほど有ると理解しております。
また私も一応この道一本のビジネスマンですから、一人一人の要求や感性の違いに応えられるよう、年齢を重ねても、お客様をよく知り、ついでに自身の感性を磨く事も怠らないよう相務めております。


さて説明が随分長くなりましたが、オーディオを楽しむ法則の一つがご理解頂けたでしょうか?
簡単に申し上げれば、「まず自身の趣味嗜好や置かれた環境をよく知り、それに合わせて機材を選び、そして必ず飼い慣らせ」といった事なのです。そうする事で自身が最も満足できる再生装置が完成しますよといった事なのです。
一般に言われるような、オーディオ機材は選択が済めばそれで終わりではなく、実はそれは始まりに過ぎません。弊社ではオーディオ販売業に携わる者として、機材の選択や改造・チューンナップのみが腕の見せ所とは考えておりません。最高のスペックを持つ機材を買い揃えても、(お客様ご自身の事を無視した)始まりのままではいつまで経っても終わりは見えず、光は差し込みません。
下手をすると、現状の不満を全て機器の性能のせいにしかねません。(クルマの世界にも、「狭い山道で軽カーに抜かれた私のベンツは性能が悪い」と言う人がいるようです)
そこから先の心ゆくまで愉しめる本当の世界を切り開く為にこそ、私が長年蓄積したお客様本位の現実的なノウハウを、一つでも多く皆様にご活用頂ければと心から願い、ご挨拶に代えさせて頂きます。

これからもオーディオを楽しむ法則をどんどんご紹介しますので、皆さん、乞うご期待。
 
【オーナー略歴】
  ●姓名:川原 豊司(かわはら とよし)
●昭和25年 4月26日生
●出身地:新潟県
●生活基盤:幼年時代から社会人までは東京都。その後千葉県。
●血液型:AB型
●性格:几帳面、凝り性、物好き、優柔不断、世話焼き、ちょっとだけ頑固、早とちり、おっちょこちょい、酒好き、音楽好き、メカ好き、バイク好き、旅好き、空想好き、新しもの好き、いやな事は忘れやすい、聞き上手で寡黙だが時々喋り出すと止まらない、どちらかと言えば夜型。
●業界資格:
★オーディオ&ビジュアル技能士
日本オーディオ協会認定資格。オーディオ&ビジュアル指導員一級取得者が受験可能な幻の資格で、取得者数は少ない。特に微細な聴感能力が試される多種の実技試験や、AVルームの設計試験等はプロでも超難関。
★家電製品総合アドバイザー
家電製品協会認定資格。AVやパソコン、季節家電等、家電製品全般知識と活用に関する資格。
●平成16年4月:31年間勤めた、都内の某有名オーディオ専門店を円満退職。
●平成16年6月:独立開業し、現在に至る。
●店舗:4〜5年後迄に、皆さんに使って貰い易い形態できさくな店舗のオープンを目指して、日夜頑張ってます。応援してくださいね。

※当文面の無断転載・引用は固くお断り申し上げます。

 
 

(c)copyright Kens Tradig Corporation 2004